在来作物とは?

私たちは在来作物をある地域で、栽培者自身が自家採種などによって、種苗の保存を続けながら栽培し、世代を超えて生活に利用してきた作物として定義しています。

その土地々々で長い間、育て、食べて、種をとってきた作物です。

野菜として育てられている植物のうち、日本固有のものはミツバやミョウガ等ごくわずかです。

白菜もニンジンもジャガイモもみんな、外国から種が持ち込まれできたものです。

人々は種をまきました。植物たちは新しい土地で生きるために、その性質を少しづつ変えていきました。

また人間も美味しい野菜を作るために、種を取る際には大切に選抜し、かけ合わせてきました。

やがてその植物はその風土独自の進化を遂げ、その風土の食文化を形作ってきました。

しかし、今日、私たちはその在来作物の多くを失おうとしています。

社会構造は変化し、私たちの多くは、野菜を自分たちの手で育てていません。

農家の方の多くは、種は自分たちの手でとるものではなく、種苗店で買うものになっています。

その土地々々の記憶を引き継いできた、個性豊かな野菜たちはひっそりと一つまた一つと消えています。

私たちはその野菜の種に手を差し伸べて、育てて、食べたい。



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